『研究医コースに入って、色々考えてみた。』
演者は研究医コースに在籍し,約3年が経過した.その3年間を振り返り,今回は, 1)研究内容の現状,2)研究医コースに在籍して良かったこととイマイチだったこと,3)研究から得たもの,そして4)医学教育の中に研究を入れ込むことの限界について,演者自身の経験を共有し議論することを目的として発表を行った.1)研究内容については,出生前低栄養動物を用いた実験より,行動変化や血漿中代謝物変化といった結果は出ているものの,それを論文化する上で必要なデータを取りそろえることに難渋しているという現状を紹介した.2)研究医コースに在籍して良かったこととして,学会参加の為の参加費や旅費を補助していただいたことを紹介した.イマイチだったこととしては,学業や,生活費工面のためのアルバイトで時間がとられてしまい、コースに在籍しても思うように研究が進まないことを挙げた.3)研究から得たものとして,新たな実験技術の習得,研究と医学教育との知識における連続性の構築などを挙げた.最後に4)研究を行うことの限界について,前述した通り、現状の医学教育の枠組みの中では,思うように時間が作れないために実験が進まず,論文執筆という成果まで達することは困難であるという実感を述べた.医学部生においても,学部生時代より研究に触れておくことは非常に重要であると考える.しかし,ただ単に“経験する”だけで終わりで良いのか,もしくは論文投稿という“成果”まで結びつけるのか,その到達点についても今後議論する必要があると考える.
原澤 俊也【第5学年】